終わりに。


中途障害は突然やってくることがほとんどです。
 突然の入院。そこには自分と同じように
身体が不自由になってしまった人たちがいました。 
しかし退院すると、自分の生活する街では
同じような車いすの人は見ませんでした。
自宅にはいるのでしょうけど、外では見ませんでしたし
自分も外に出ようとは思いませんでした。 

私は車いすの先輩に、生活や仕事の話を聞きたかった。
しかし、市役所に行っても「個人情報」として教えてもらえない。 
突然、ものすごい孤独感に襲われたんです。 
さらに「職場」という、自分の居場所まで失いました。 
孤独で職もない。これは想像を絶する厳しさがありました。 
残念ながらこれからもそういった方々は増えると思います。 
私が店をはじめた理由はいくつかありますが、
そんな方たちが私を知ってくれたとき
少しでもホッとしてもらえたら…そう思ったんです。 

そして、中途障害でも気軽に自分の居場所をつくれる社会にしたい。
自宅などで痺れと戦っている人も、様々な困難と戦っている人も
たくさんいると思います。しかし、私の場合は外へ出た方が楽だったんです。
1日がすぐに終わります。苦痛と闘うのは家にいる時だけです。
そして、この私でもここまで動くことができました。

私よりも困難が柔らかでも、働いていない方は沢山いると思います。
本当はその人たちに、外へ出て働いてみてほしいんです。
店を始めてから私は税金をたくさん支払ってきました。
コロナで助成金もたくさんきました。世界は大変なことになっています。
動ける方は動いて欲しい。このままだと子供たちの世代に未来はありません。しかし、「働け」とは書けません。
そのために私は「自分の場所をつくってみては?」と
説明することにしています。

コロナで店は厳しい状況で、この先どうなるのかわかりません。
しかし、私は可能な限り頑張ります。
読んでいただき、どうもありがとうございました!

 


【今回の更新をもって、この連載は終了となります。】