gente編集部は「障害」「障害者」という表記を使用します。

「障害」は社会にあります。

「障害者」はそれに直面しています。

 

 「障がい」という表記が使用されるようになったのは2006年頃からです。多くの自治体が障害者施策や法整備を検討する中で、表記に対しても検討がなされ「障がい」という表記を使用する事を定めた各自治体独自の対応が広まったものです。この「障がい」という表記は一般的にも広まり、自然に使われるようになりました。「gente」も創刊以前よりこの表記を自然に使用していましたが、号を重ねるごとに、ひとつの矛盾に気づき始めていました。

 

 様々な障害を取材する中で「障害」は社会にあって、例えば「目が見えない」「立つ事が出来ない」「一つの物事を他人と同じ方法で行う事が出来ない」といった、現在「障がい」と呼ばれているものは「機能の違い」にすぎない、という考えがgente編集部として明確になっていきました。

 

「障がい」という表記を使用する理由としては、「害」の文字が持つ負のイメージ、そしてそれが差別や偏見を助長する事につながりかねないという懸念から「障がい」という表記を選択しているようです。つまり「障がい」とはその人の持っているもの、という考えに基づいていると考えられます。

 

 であるならば、「障がい」という表記を使用する事は「機能の違い=障がい」として、障害が人にあると認めている事になりかねないとgente編集部は考えています。「機能の違い=障がい」でなければ、そこに負のイメージや偏見を懸念する必要がないからです。gente編集部としてはこれを改める必然性を感じてはいましたが、「障害」については社会にあると考えながらも、では「障がい者」と呼ばれている人たちをどう定義すればいいのか、長らくその見解に悩んでいました。その見解が明確にならない限り、表記については据え置きとせざるを得ませんでした。

 

 そういった検討を経て、gente編集部は「障害者とは、社会の障害に直面する人」という見解に達しました。社会の障害が取り除かれないために、不都合や不具合を強いられている状態にある人、これがgente編集部の考える「障害者」です。

 

 「gente」創刊前に「障がいってなんですか。障がい者ってどんな人ですか」というコピーを考え、それは現在もHPなどに使用されています。しかしgente編集部はひとつの答えにたどり着きました。以後gente編集部は、「障害は社会にあります。障害者はそれに直面する人たちです。」という考えで活動を継続していきます。この考えを、もっと多くの人に識ってもらうために。

 

 現在公開されているHPやcampfireでの募集告知などは順次表記を改めていきます。以後発行するすべての刊行物等において、gente編集部は「障害」「障害者」という表記を使用します。