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vol.7「Epilogo」の感想をいただきました。

 講読支援をいただいている読者の方から、限定コンテンツ「Epilogo」(編集後記)のご感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。

 

 「gente Epilogo vol.7」を読みながら、私は3年前の4月1日を思い出していました。
 NPOに転職して中間支援施設で働くことになり、その日に職場のメンバーと初めて顔合わせをしたのですが、みんなが話す一言一句について「何か違う…」と感じるのです。「当たり前だと思っていること」がみんなとまったく違うんだと気付いた時、とても悲しい気持ちになりました。私にとっては当たり前のことを言っても、みんなからはキョトンとされてしまうのです。そしてどうしてそう思うのかを言葉で説明するように求められてしまうのです。言語化したこともない「当たり前」をいちいち言葉にしなければ伝わらないしんどさ。
 私が感じたそのもどかしさは、vol.7の中山さんが子どもの頃から感じつづけてきた苦しさに似ているのかもしれません。発達障害の名田さんもそうです。自分と周りはどこが違うのかを認識し、それを説明する言葉を獲得できた時に、お二人とも視座を上げて社会と自分を捉えることができたのかもしれません。
 私もこの3年間、あの4月1日に感じた違和感を少しずつ言葉にしてきました。そんな中で「gente」と出会い、毎号「みんなと違うところ」を抱えた人が、自分のままでみんなとつながる、その軌跡を丁寧に取材された文章に心揺さぶられます。これからも楽しみにしています。

 

 

 ※「Epilogo vol.7」では、取材に至った経緯や取材を通して感じた事として、自分を説明する言葉と出会うまで中山さんが抱えていた悩みは、vol.5で取材した名田さんにも共通するものを感じた事、言葉や定義が人に与える安心感などについてを、編集後記として綴っています。

 

 感想ありがとうございました。うまく伝わらないもどかしさは、障害の有無にかかわらず誰しも感じる事なのでしょう。それがお互いに「共通しない事柄」だった場合、さらにそのもどかしさは強くなります。だからこそお互いをつなぐ言葉や定義といったものは重要になってきますし、まずは言葉や定義といったものを前提にした上でこそ、お互いの個性やその人自身を認めあえるのかもしれない、とも感じられます。

 gente編集部ではこれからも、皆さまからの感想をお待ちしています。なお、掲載を希望されない場合はその旨お書き添えの上、ご投稿ください。