ロービジョンフットサルクラブ『CA SOLUA』練習見学

 「ロービジョン」は視野狭窄や中心暗点、矯正のできない低視力などの「見えにくさ」を包括した呼び名です。全盲や光覚とは違い「ある程度見えている」視覚障害とも言えますが、人それぞれにさまざまな見えにくさを持っています。そのロービジョンの方々がプレーするフットサルクラブ『CA SOLUA(ソルア)』の練習見学に行ってきました。

 視覚障害者のプレーするサッカーというと、「ブラインドサッカー」をイメージする方が多いでしょう。ブラインドサッカーは音の鳴るボールを使い、視覚を遮断するアイシェードをつけてプレーします。一方でロービジョンフットサルにアイシェードは必要なく、ボールも音の鳴らない一般的なフットサルのボールを使用します。ブラインドサッカーが視覚障害者のためにさまざまな工夫がされた競技であるのに対し、ロービジョンフットサルはかなり一般的なフットサルに近い競技です。そのため晴眼者(※1)が一緒にプレーしやすいのも特徴の一つで、この日の練習にも晴眼者が入ってプレーしていました。選手はそれぞれに見えにくさを持っているのですが、はたから見ていると誰が晴眼者かわからないほど、それを全く感じさせないプレーの迫力に終始圧倒されていました。

(※1:せいがんしゃ/視覚に障害なく見えている人のこと)

 それぞれに見え方が違うので、ボールの色が見えにくさに影響する選手もいます。またやピッチの明るさ、室内屋外の違いなど、明るすぎて見え方に影響する選手もいて、そういう場合は明るさをカットするゴーグルをかけてプレーする場合もあります。さまざまな見え方をしていても一緒にプレーすることができるのが、ロービジョンフットサルの魅力でもあります。

 「gente」では2021年3月発行予定のvol.11で、ブラインドサッカー代表強化選手の佐々木康裕さんを取材しますが、ブラインドサッカーとロービジョンフットサルのように、全盲や光覚の方とロービジョンの方々には「視覚障害」という言葉だけではくくれない違いがあります。まだまだあまり認知されていないロービジョンについても「gente」で取り上げる機会を設けなければ、と早くも先の取材へと期待も膨らむ練習見学でした。

 『CA SOLUA』は先日「gente」の配架にご協力いただけることになったスポーツブランド「SOLum」様が支援しているチームです。チームの活動として子ども向け、ロービジョン当事者向けの講習会や競技普及活動も行なっています。チームについて詳しくは下記リンクよりご覧ください。

 

 http://casolua.com/